中村、吉本の情報をお伝えします。イベントの情報や、日々思う事などをつづっていきます。

2009年3月 3日

スロービジネス見本市

ナマケモノ倶楽部10周年とスロービジネス見本市

中村隆市です。私が世話人を務めている環境文化NGO「ナマケモノ倶楽部」が今年10周年を迎えました。そして、校長を務めている「スロービジネススクール」が5周年を迎え、3月8日に池袋で、「スロービジネス見本市」を開催します。

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「人も自然も大切にする社会」をつくるためには、私たち自身の「暮らしの見直し」と「仕事の見直し」が必要だと考え、この30年いろいろ模索してきました。

最初の10年は、自ら有機農業に取り組んだり、生協職員として生産者と消費者の提携運動を担ってきました。1986年にチェルノブイリ原発事故が起こり、世界に放射能が放出され、放射能汚染食品が問題となり、汚染がひどいものは輸入禁止になりました。そして、輸入大国日本が輸入を拒否した放射能汚染食品が「途上国」にまわりました。それがきっかけで、「途上国」の農民たちと提携してフェアトレード事業を始めました。

その仕事が「ある出会い」につながり、環境文化NGO「ナマケモノ倶楽部」と、いのちを大切にする仕事を学ぶための学校「スロービジネススクール」をつくりました。このブログを読まれている皆さんに、その経緯をお伝えしたいと思います。


●ナマケモノ倶楽部ができたキッカケ

今から22年前に私は、中南米やアジアの農民と提携するフェアトレードの仕事を始めました。そして11年前に南米からゲストを招いて「国際有機コーヒーフォーラム」を福岡で開催したとき、エクアドルから先住民で初めて知事になったアウキ・ティテュアニャさんと有機コーヒー生産者を招待しました。

そのとき、アウキさんたちに同行してきた見知らぬ人が2人いました。一人は、歌手で環境運動家のアンニャ・ライトさん。もう一人は、文化人類学者の辻信一 さんでした。意気投合した私たち3人は、翌年それぞれの「専門分野」である「運動」と「学問」と「ビジネス」の融合をめざす「ナマケモノ倶楽部」をつくりました。

環境NGOの中でナマケモノ倶楽部が珍しいのは、自分たちの暮らし方だけでなく仕事(ビジネス)を重視してきたことだと思います。この10年間でナマケモノ倶楽部の仲間と共にたくさんの会社をつくりました。 スローカフェスロースローウォーターカフェゆっくり堂七色舎Cafe Slow Osaka

その分、世の中に「いのちを大切にする会社」が増え、そこで働く人も増えていきました。


●それでも働きたい会社が少ない

しかし私の会社(ウィンドファーム)には、たくさんの若者たちが就職を希望して連絡してきます。「給料は少なくていいので、環境を大切にしたり、社会を少しでもよくするような働き甲斐のある仕事がしたいんです」と。

その希望に、20人ほどの小さな会社は、応えることができませんでした。年に1~2人しか雇うことが出来ないため、断るたびに彼らが失望していく姿 を見てきました。それは、可能性の芽を摘み取り続けているような気分でした。そして、「何とかしたいなあ」という思いが強くなってきました。

そんなときに解決のヒントを与えてくれたのが、ブラジルで有機コーヒー栽培を広めた生産者のカルロスさんでした。そのヒントを元に5年前、「スロービジネススクール(SBS)」をつくりました。


●「スロービジネス」って何?

十年前、辻信一さんと言葉遊びをしていて「スロービジネス」という言葉が生まれました。
「ファストフード」から「スローフード」という言葉が生まれたように。そして、スロービジネスを
「いのちを大切にする仕事」と定義しました。

あまりにも、いのちを大切にしないビジネスが多すぎるからです。

産業革命以後、機械化が進み、大量生産が広まる中で、物質的な豊かさばかりを追い求める傾向が強まり、次第に「お金中心の社会」になっていきました。企業も政治も「経済成長」を最優先するようになり、戦後の日本は、「奇跡的な経済成長」をとげ、GDP世界第2位という「経済大国」になりました。

世界の「経済大国」になったのだから、日本人は、より幸せになれるはずでした。しかし、そうはなりませんでした。お金優先で自然破壊が進み、過度の競争で助け合いや分かち合いが少なくなり、さまざまな病気が増え、社会が病んできています。

農薬や食品添加物、遺伝子組み換え食品、電磁波などがあまり規制されないままに暮らしの中に入り込み、人々の健康が悪化しています。ガンやアレルギーが年々増加し、化学物質過敏症、電磁波過敏症の人が急増しています。

肉体的な病気だけでなく、精神的な病いも急速に広がっています。うつ病は、この十年で倍増し、自殺率は米国の2倍、ヨーロッパの3倍となっています。そして、無差別殺人や子どもの虐待死が増えています。

「経済成長」のためには、「少々の犠牲はしょうがない」という政治家や企業経営者がいます。
何のための「経済成長」なのでしょう? 何のために政治があるのでしょう?

「経済成長」を最優先し、いのちが大切にされない社会は、幸せから遠ざかっていくようです。

江 戸時代の医者で、哲学者でもあった三浦梅園という人がいます。梅園は、経済には二通りの経済があると言っています。一つは経済の語源となった「経世済 民」。経世は「世の中を治める」、済民は「民を救う」という意味です。つまり、世の中を平和にして、人々を幸せにするのが、本来の経済の役割だと、梅園は 言っているのです。

もう一つの経済が、「乾没」の経済。この経済は、「独り占め」の経済であり、いずれは「乾いて没する」と言います。昔 でいえば、殿さまだけが贅沢をして民百姓が苦しむような経済。今の時代でいえば、自分の会社さえ儲かればいい、自分の国さえよければいい、人間だけがよけ ればいい、あるいは、自分の時代さえよかったらいいといった経済です。


●学生自身がつくる学校 学びあう学校

現代の主流の経済は、この「独り占めの経済」に偏っています。私たちは梅園に学び、分かち合いや助け合いの経済を広めたいと考え、自然や人々の「いのちを大切にする仕事」を広めるために5年前、スロービジネススクールをつくりました。

「入学する学生自身がつくっていく学校です」という呼びかけに130人以上が応募してきました。
予想の3倍以上でした。学生、主婦、会社 員、教員、有機農家、自営業、会社経営者、ダンサー、医師、NPO代表、詩人、サーファー、写真家など驚くほど多様な人たちが集まりました。年齢は20代 が大半だろうと考えていましたが、10代から60代まで幅広く集まり、なぜか女性が3分の2を占めています。

この学校には「先生」がいないので、学生たちは知恵を出し合い、互いに学び合っています。
みんなが何らかの先生であり、生徒でもあるという面白くてとても楽しい関係です。でも、年に4回ほど各地で行われる合宿に辻信一さんや深津高子さん、藤村靖之さん、田中優さんなど外部からも友人知人が話をしに来てくれます。


●学費でつくった会社で、学生がつくった商品を販売

「学生が支払う学費を元手にして会社をつくります」と公言していましたが、思ったよりも難産でした。でも、2年ほどしてようやく「スロービジネスカンパニー(SBC)」という中間法人(現在は社団法人)の会社ができました。

SBCは、通信販売のウェブショップをつくりました。そして、学生がつくったり、開発した商品(原発や再処理工場の本やDVD、自然塩、褌、パレスチナオリーブ、フェアトレード商品「マヤナッツ」など)を通販や卸販売しています。本は好評で増刷され、DVDも全国から注文が入り、委託販売もしています。

学生内部では地域通貨も活発に利用され、商品代として使えたり、学費も地域通貨で支払うことができます。合宿では、地域通貨市場が開催され、手づく り品や学生が経営する会社の製品やマッサージ、整体などのサービスにも利用されています。学生だけに限定して学生がつくった米や農産加工品も地域通貨で販 売されています。


●ゆっくり村

SBCはウィンドファームと提携して福岡県赤村に「ゆっくり村」という名の小さなコミュニティをつくりました。「半農半スロービジネス」を掲げて、農的な営みとスローなカフェ(クリキンディ)など「いのちを大切にする仕事」を実践しながら、「こんな暮らし方、こんな生き方もあるよ」「ひと月に5万円もあれば、らくらく暮らせるよ」といったモデルが少しずつできてきています。

今後は、そんな暮らしの実例を増やしながら、それを一般の人が体験できる仕組みをつくる予定です。

「毎日旬の美味しいものを食べて、友と語り、汗を流し作物を育て、モノづくりをして、音を奏で、共に学び成長し、安らかに眠る。そんな「ゆっくり村」があっても良いな。問題ではなく答えを生きる。」とゆっくり村の住人・後藤君は言っています。


●スロービジネス見本市とは何か

これまでは、スロービジネススクール&カンパニーは内部で学び合うことが中心でしたが、これからは外部の団体や企業などとの連携やアウトプットに力を入れていこうとしています。

その一つがナマケモノ倶楽部や「六ヶ所あしたの森」との連携、そして、スロービジネス見本市です。見本市では、SBSの学生10人が、スロービジネスプランや事業や想いを表現します。それは自分自身の心地よい幸せな働き方、生き方であり、同時にそれは、他者(人や自然や未来世代など)をも幸せにする仕事です。

詳しくは、以下をご覧下さい。
http://www.slowbusiness.org/article.php/200901_sbmihonichi

当日は、私もいろいろ話します。

皆さんと会場で、お会いするのを楽しみにしています。


「六ヶ所あしたの森」設立準備委員会 事務局

〒194-0041 東京都町田市玉川学園8-6-7 (※現時点で事務局は現地にはありません。)
電話: 080-6776-2610
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